どんな精密な機械類でも、それぞれ少しずつクセがあるように、焙煎の釜も1臺1臺微妙にクセがあります。そのため、ひとつの釜に1人以上のオペレーター(焙煎技術者)が付きっきりで、釜のクセを把握しながら対応していきます。
最新式の釜で焙煎するので、自動的にいつも同じ味のコーヒー豆ができると思われるかもしれませんが、実際はそうではないのです。昨日うまく焼けたからといって、今日も同じ設定でうまくいくかというと、全く予斷を許しません。焼く豆の量、焙煎溫度、炎の具合い、焼く時に出る煙を逃がす量の多少、圧力、等々。これらの條件が僅かでも変わると味も変わってしまいます。誇張ではなく、焙煎溫度が1度でも違うと、全く別物の豆になってしまうのです。コーヒー賢者いわく「常に緊張して豆と向かい合っていないと、平気で変わる」。